コラム

2009/01/20

リーダーで変わる(茨城・MK)


▼昨年のプロサッカーリーグ「J1」は、鹿島アントラーズが2連覇した。優勝が決まった瞬間、真っ先にガッツポーズを決めたのは、ブラジル人監督オズワルド・オリベイラだった

▼オリベイラ監督は意外にもプロサッカー選手の経験はないが、大学で心理学を学んだこともあり選手への指示の的確さや起用法には定評がある。なかなかの熱血漢で、判定へのクレームの付け方も凄まじい。納得いかない笛を吹かれた際、タッチラインの外に置いてある給水用のペットボトルを蹴り上げたこともある

▼一方でオリベイラ監督は選手をスタメンから外す場合、必ずその選手に一対一で丁寧に理由を説明するという。また、出場機会が少ない若手選手が移籍を志願したとき、その選手の資質や将来性を認め、その選手がいかにチームに必要かを説いたという。その選手はチームに残って大事な場面で起用され、役割を果たした

▼このように昨年の鹿島は、途中交代で出場した選手も活躍した。途中出場選手の得点数やアシスト数はリーグ1位。守備の選手でも組織を崩すような動きをする場面は少なかった。サブメンバーがきちんと仕事をする選手層の厚さ。そして、監督と選手が築いた信頼関係が強さの一つだろう

▼オリベイラ監督が就任した一昨年、鹿島は開幕5試合勝ち星なしで、最悪のスタートだった。当然監督の責任問題が噴出したが、オリベイラ監督は屈せず、じっくりとチームを作り上げ、そのシーズンは最終節に逆転優勝、昨シーズンは安定した戦いで連覇した。チームは監督で決まると言われるが、そのとおりだった。リーダーの資質はどこでも共通だ。(茨城・MK)

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