コラム

2009/02/17

水戸観光に新たな顔(茨城・TY)


▼筆者の自宅から偕楽園公園の好文亭を臨む千波湖まで、月に一、二度、気が向くと散歩に出かける。湖畔3?を1周して自宅往復の歩行距離は約8?。足腰に程良い疲れを感じる。鍛錬までにはいたらないが日頃の運動不足を補い、歩くことで脚力を確認しつつ心身ともに安心感を得て家路に着く

▼先日は方角をかえ同公園の吐玉泉へと足を伸ばした。昔から湧水が多く、特に眼病に効いたと聞く。今は飲料は禁止だ。両の手ですくうと夏には冷たかったが、真冬には少し暖かくさえ感じられる。疲労ぎみの眼にとも思うがそれも昔の話。大樹に触れ、あたりの樹木を見て瞳を潤すこととした

▼案内には「偕楽園の造成にあたり、その湧水を茶室『何陋庵』(かろうあん)の茶の湯に供するとともに、造園上の添景を考慮し白色の泉石を据え、特殊な工法を施した湧水泉を築造した」とある。思えば今年は水戸市制120周年を迎え、水戸藩開藩から数えても400年の節目にあたる。市では記念事業として徳川光圀公像が見える場所に新好文茶屋を建設する計画だ

▼順調に運べば夏前にも着工する。地元建築コンサルタントが描いたデザインがお披露目されたが、風景を邪魔しない全面ガラス張り。中には飲食店や郷土の土産をそろえた売店を置く。芝で緑化を施す屋上は開放。何より若い人たちを呼び込むための戦略だ

▼市内の夜景と、千波湖に映し出されるもう一つの夜景。楽しみ方は色々。湖畔周遊に便利な?拠り所?の来年2月完成が待たれる。とかく箱ものは無駄と見られがちだが、文化を育むのに建物は欠かせない。問題なのはつくる側と使う側の意図の一致だ。(茨城・TY)

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