コラム

2009/02/25

地域住民の創意工夫が結実(埼玉・AO)


▼長男が「今度、授業でスケートをやるんだ」と嬉しそうに話してくれた。場所は、埼玉県比企郡ときがわ町の山間部にある天然スケート場。バスに乗って行くのだそうだ。初滑りがスケートの授業じゃかわいそうだと、30年ぶりに同行した

▼このスケート場は、町と消防団が協力して作った手作りののスケート場。横を流れる川から、ポンプを使って放水。数日かけて厚い氷のスケートリンクができ上がる。当然、屋外。川の水を撒いただけのため、管理された屋内スケートリンクに比べコストはさほどかからないようだ。それにしても山間部の寒い夜空の下、作業してくれた関係者に頭が下がる

▼30年ぶりだが、地元以外からの利用者が多いことやスケート靴の多さなど様変わりしている。かつては地元の小学生ばかりで、靴も多くはスピードスケート用でサイズもそろっていなかった。利用者に応えて、貸し靴もフィギュア用ばかりで、サイズも大小増えた。関係者の地道な努力があったからこそ、ここまで良くなったのだろう

▼早速、履き替えて氷の上に。初体験の長男は、おっかなびっくり。小学校で使っていた、いすや机を補助に、よろよろ滑り出した。30年ぶりに氷に乗った筆者も、かつてはマイシューズで通っていたとは想像もつかないほどのへっぴり腰。それでも、30分も経てば、少しは滑れるようになり、結構楽しめた

▼少ない費用で人を集め、地域振興につなげた地域の努力が見事に結実している良い例だ。地方自治体では事業の基本となる予算が確保できないでキャンセルが多発している。創意工夫すれば、まだまだ道は開かれるのだが。(埼玉・AO)

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