コラム

2009/04/10

戦国武将ブーム(茨城・KK)


▼今、若い女性たちの間で「戦国武将ブーム」が起きている。関ヶ原をはじめとする古戦場を散策したり、彼らの墓参りをする人の大半がそんな妙齢の世代であるらしい。このブームに火をつけたのは、戦国武将をテーマにした某ゲーム。石田三成の盟友であった大谷吉継が超イケメンで描かれていたのがきっかけ

▼越前敦賀城主・大谷吉継といえば義に厚い名将として戦国ものの時代劇に度々登場する。当時伝染病として恐れられていたハンセン病を患っていた吉継に、唯一わけへだてなく接したのが石田三成だった。領国敦賀を交易の町として発展させるなど、時代の流れを読む眼力を持ってはいたが、三成との友情に殉じて、関ヶ原に散った

▼文芸雑誌などで著名な作家・評論家諸氏の「私の好きな戦国武将」なる特集を見た。黒田官兵衛、竹中半兵衛、山本勘助、秀吉の異父弟で、天下人の功名の大半に関わったとされる豊臣秀長など、大大名より補佐役に票が多く集まっていた。そんな中で、個人的に興味を引かれたのは九州の立花宗茂だ

▼関ヶ原の戦いでは「西軍に勝ち目なし」と家臣から再三家康に与するよう説得されるも秀吉への恩義から西軍として出兵。戦後は改易されるが、その器量を惜しまれ、3年後に大名に復帰を許された。浪人時代、家臣ともども乞食同然の暮らしに耐えた話がよく知られる

▼謀略と裏切りが繰り返され、誰もが利に走った戦国の世。格差が開き、人々が品格を失いつつある今の日本に酷似しているのでは。そんな時代だからこそ、彼ら武将たちは、その清廉な生きざまゆえ、若い女性たちに支持されるのだろう。(茨城・KK) 

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