コラム

2009/04/24

紙媒体の優位性(茨城・KK)


▼「毎日の授業、定期テスト対策、そして大学受験まで」、「これからスタートする高校生活のマストアイテム」―電子辞書の広告のキャッチコピーだ。パソコンの普及率が85%を超え、もはや一家に1台と言っていい時代になったが、電子辞書も高校生の間で所有率が5割を超えた

▼「デジタルは手軽」と言うがはたしてそうだろうか。新聞、雑誌、書籍…スーパーのチラシですら、そこにあれば手に取るだろう。それがパソコンとなるとそうはいかない。筆者の場合、バッグからノートパソコンを取り出し、電源をつなぎ、起動。印刷が必要とあればプリンタを運んでくる

▼紙媒体の優位性が一覧性、携帯性にあることは言うまでもない。インターネットには無尽蔵の情報が、電子辞書も学習用辞書に加え経済用語集などの実務関係、トラベル英会話、百科事典など至れり尽くせりのコンテンツだが、取っ掛かりが面倒だ

▼「環境問題、省エネルギー」がペーパーレス提唱の根拠であるのは確かだ。紙の新聞をネット新聞に、紙の本を電子書籍にすればCO2の大幅な削減になる…。どうだろうか、現実は単純なものではない。近年、情報通信社会の発展で電力消費量が飛躍的に増加しているのだ

▼2006年の日本の情報通信関係での電力消費の占める割合は5%だが、2025年には20%に達すると予測されている。インターネット関連企業最大手のグーグルが消費する電力は日本全体の0・1%だというから驚きだ。それもたった1社で。図書館や書店の棚を見渡せば、知りたい情報、興味が次々にリンクしてくる。まだまだ紙媒体の利便性はデジタルに優っている。 (茨城・KK)

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