コラム

2009/06/08

江戸時代のバブルとエコ(埼玉・TN)


▼火事と喧嘩は江戸の華―。江戸時代の庶民の生活はこの言葉から想像すると一見威勢がよく、がさつに見える。しかしその裏には計算された経済が発達していたと見られる証拠があり、しかも難しいと思われる経済の活況とエコを両立させていたようだ。筆者は歴史には疎いが、勝手な推論も含め分析してみた

▼まず江戸時代のリサイクルと言えば、財団法人バイオインダストリー協会が作成した資料によると、例えば植物から搾った油は、あんどんの燃料に使用していたほか、搾りカスは肥料に、またモミを取った後のワラや草履(ぞうり)は縄にしていたとのこと。さらに、紙くずや古着、灰までも回収する業者もいて、あらゆるものが上手にリサイクルされていたとされている

▼しかし、ただ物を大事に生活していただけでなく、江戸時代は「風が吹けば桶屋が儲かる」といった有名な諺がある。これは特に経済における波及効果を示す。この言葉を裏付けることになるかどうかわからないが、『資本主義は江戸で生まれた』(日本経済新聞社刊・鈴木浩三著)によると、徳川家康は通貨政策、物価安定策など現代にそっくりな市場経済システムを構築していたとのこと

▼つまり、風が吹けば桶屋が儲かるは、経済概念として浸透していたから生まれたと筆者は考えている。しかもこの時代には経済の仕組みを知ってか知らぬかわからないが「宵越しの銭は使わぬ」というバブル顔負けの言葉まである

▼つまり江戸時代は、宵越しという豪快な言葉と裏腹に?リサイクル?と?経済サイクル?を両立させた現代社会が目指すべき時代だったかもしれない。(埼玉・TN)

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