コラム

2009/06/16

「値下げ」で動く「足」(茨城・HS)


▼森田健作千葉県知事が、その公約通り、木更津市と神奈川県川崎市を結ぶ?東京湾アクアライン?の通行料金値下げを表明した。期間はこの8月から2年間。金子一義国土交通大臣も協力する考えで、対象はETC搭載車限定だが、全車種に適用されるという

▼全長15?のアクアラインは、総事業費約1兆4400億円、事業期間10年のビッグプロジェクトだった。その途中には?海ほたる?と呼ばれるパーキングエリアがある。完成したのが97年12月だから、「いつか通ってみたい」と思いつつ、すでに10年以上が過ぎてしまった

▼今回の発表で驚かされたのは、対象にトラックなどが含まれることのほか、平日も適用されるという点だ。車種によって料金は違うものの、運輸業界はかなり魅力を感じているだろう。経費削減はもちろん、他の道路の交通渋滞が解消されれば、時間短縮というメリットも生まれる

▼もっとも、値下げをすれば、補う財源が求められるのは言うまでもない。アクアラインの値下げに伴う財政負担は約20億円と見られ、このうち半分を国が、半分を県が負担する方向で進んでいるようだ。千葉県民の方々には申し訳ないが、筆者も近いうちに10年来の思いを叶えに行こうかと考えている

▼地方圏の高速道路値下げが始まり既に2カ月。今はまだデータ収集の段階だろうが、5月連休中の交通量増加を見ると、経済活動を刺激するという目的は果たしているようだ。今後の景気がどうなるかはわからない。しかし、2年間の時限措置と言わず、可能な限り続けて欲しいものだ。人はきっかけさえあれば、思いのほか行動的になるものなのだから。(茨城・HS)

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