コラム

2009/07/02

自分を上回る存在(東京・UT)


▼6月、実父が2回目の海外旅行をした。昨年、初めての海外でトルコにツアー旅行し、世界の広さに興奮したようだ。今回は単身でヨーロッパに行き、20日間の日程でフランス、オーストリア、チェコなど5カ国をまわってきたという

▼父は携帯電話もクレジットカードも持っていない。語学は当然、日本語のみ。ホテルの予約もせずに飛行機に乗り込んだというから、恐れ入りましたというしかない。どうやら事前にかなり計画を錬っていたようだが、それでも、度胸のない筆者には、とても真似ができない。母によると、旅の途中で連絡は一度もなかったという。よくぞ無事に帰ってきたというのが、正直な気持ちだ

▼観光庁のまとめによると、海外旅行者数の推移は、平成12年に過去最高となる約1782万人を記録した。その後は同時多発テロなどの影響で落ち込み、20年は約1599万人となっている。政府の観光立国推進基本計画では、平成22年までに海外旅行者数2000万人を目標としており、促進策が必要となっている

▼20代・30代を中心にしたアンケート調査では、約3割が海外旅行に関心がないというデータもあり、関心を高める取り組みが重要とみられている。また実感として、旅行代金の問題も無視できない

▼父の旅行の話は、すべて母から聞いたもので、本人からはまだ、何も聞いていない。近日中に長い体験談を聞こうと思っている。登山好きでもある父は、いつかネパールに行き、エベレストを見上げることを目的にしているようだ。チャレンジ精神と好奇心、さらには海外旅行の回数においても、現在、自分の方が分が悪いと感じている。(東京・UT)

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