コラム

2009/09/01

公共事業は誰のため(茨城・HS)


▼つい先日、日帰りで栃木県内の温泉に行った時のこと。『ダム建設中』の看板を見つけたので、どんなものかと近くを車で走ってみた。感じたのは関連する工事の多さ。道路やトンネルの付け替えをはじめ、橋梁、護岸、盛土などなど、少し走っただけで様々な看板を目にした

▼考えてみればそれも当然。ダム建設はそれだけ巨大な事業であり、多くの人間の生活と密接な関わりを持つものなのだ。山を切り開き、道を造り、橋を架ける。筆者が近くまで行けたのも、車道が整備されていた賜物だ

▼この夏、静岡県を中心に震度6弱の地震が発生した。死者1人がでたが、建物の全半壊などもなく、規模の割りに被害は大きくなかったという。同県では「東海地震」を想定しているため、地震に対する備えの意識が高いようだ

▼この地震でもっとも驚いたのは、NEXCO中日本の対応の早さだった。東名高速道路の牧之原SA付近で路面や路肩の一部が崩落し、上下線が一時通行止め。だが、地震発生の当日に復旧のめどを明らかにし、わずか5日で復旧工事を終わらせてしまった。しかも、建設中の第2東名を緊急開放するという柔軟な措置も見せている。大渋滞を危惧していた人にはさぞ助かったことだろう

▼世間では相変わらず公共事業が槍玉に挙げられているが、こうした工事を見るとやはりその必要性を痛感する。道路を利用するだけの人は、どうしてそこを通れるのか考えないものだ。なぜなら舗装された道路がそこにあって当たり前と思っているのだから。公共事業費を大幅に削減しろなどと暴力的なことを言う人が少しでも減ってくれれば良いのだが。(茨城・HS)

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