コラム

2009/10/14

日本のヘビー級に光明(群馬・HM)


▼ボクシングの階級は、ヘビー級からミニマム級までの全17階級に分かれる。世界的には重いクラス、特にヘビー級が人気だが、日本では中量級以下が主流。日本人の体型が小さいからという理由もあるが、日本にはヘビー級からスーパーミドル級までのランキングがそもそも存在しない

▼どういう事かと言うと、これらの階級の選手はプロにはなれるし試合もできる。が、順位付けされることはなく、当然日本チャンピオンにもなれない。その結果次のような問題が生じる。目標が定めにくいため選手がよりつかない。逸材といわれる選手もK―1や総合格闘技などに流れてしまう。選手層が薄くなり練習相手にも事欠く。スパーリングもできない

▼では、がんばっている選手はどうしているのか。海外に活路を見いだそうとする人もいる。無理な減量を強いてミドル級まで落とす人もいる。いずれにしても軽い階級にはない苦労で、チャンスは少なく結果も残しにくい

▼この現状に、日本ボクシングコミッションは、スーパーミドル級以上のランキングを約50年ぶりに復活させることを決めた。「陽が昇らない日はない」とは簡単に言えるが、いつか分からない朝日を待ち続ける時間は辛い。過酷な減量に耐え、あるいはアルバイトの合間にサンドバックを叩きながら一筋の光を夢見ていた選手達の歓喜の声が聞こえてきそうだ

▼世相が混沌とし先行き不透明な時代に突入している。今、辛さに耐えている人も多いだろう。明るいニュースも多い。それに自分を重ね、「いつか朝が来るはず」と少しの元気を分けてもらうのも、時にはいいのではないだろうか。(群馬・HM)

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