コラム

2009/11/27

決め手は「イメージ」(茨城・KK)


▼千葉県市川市で2007年3月、英会話学校講師のイギリス人女性の遺体が見つかった事件で、全国に指名手配されていた市橋容疑者が10日、逮捕された。逃走から2年7カ月。死体遺棄事件の時効(3年)が迫っていた

▼同容疑者の手配写真は広く出回っており、多くの人が目にしていたはず。オウム真理教関係特別手配被疑者などは十数年にわたり、あちこちに顔写真が貼られているにも関わらず、いっこうに逮捕に結びつかない。ある整形外科医は写真による捜査の限界を説く

▼通常われわれは、人の顔を判別する時、表情や動き、全体からかもし出すムードやイメージから識別する。「目がこうで…鼻がこうで…」顔のパーツを逐一考えているわけではない。手配写真を見せられたり、クローズアップされたりすると、顔の細かい部分に注意が集中して、かえって全体像がつかめなくなる。なるほど、親しくない人を写真だけで捜し出すのは至難の業かも

▼ベテランの刑事は、指名手配犯の写真を手帳などに貼り、1日に何度も何度もながめる。するとそのうちにイメージが植えつけられ、その犯人が何年も前から知っている人物に見えてくるというのだ。地道な捜査と追跡の果てに、駅の改札口や人の集まる場所、繁華街の雑踏などで御用ーと相成る

▼人は言葉とともにイメージで動かされる。スポーツ選手のイメージトレーニングは今や常識だし、成功者は目標達成の具体的なイメージを持っているものだ。とかくPRが不得手と言われる建設業界。長年、安全で安心な国土づくりを担ってきたプライドを持って、いいイメージを発信していきたいもの。(茨城・KK)

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