コラム

2009/12/07

環境とツバメの仕事ぶり(新潟・YY)


▼雪よけとして軒先を長く伸ばした雁木(がんぎ)通りが延々と続く…。筆者が子ども時代を過ごした町は雪国の典型的な商店街だった。商売繁盛のシンボルでもあるツバメの巣が春には所々に見られ、躍動感のある季節感があった

▼その雁木通りも都市計画道路の整備により姿を消し、アーケード通りへと変化している。並行してツバメの姿も見かけなくなった。ツバメは毎年同じ場所に巣を作ると言う。春先、日本に渡ってきた時、変貌した町を見てどう思うのだろうか

▼少し前に見たのが、ガソリンスタンドに居を構えるツバメ。夜8時も回り、昼行性の鳥であれば本来、日中の活動を終えているはずの時間なのだが、まるで昼間を思わせる照明の下、明かりに集まる虫を軽快に捕らえていた。天井まではかなりの高さがあり、人とツバメで上手く住み分けが出来ているように見えた

▼日が沈んだ後もなお、行動することがツバメにとって良いことかどうかは分からない。しかし外敵から身を守るために人間の生活空間に巣を作ってきたツバメが「安心・安全な場所」と判断した結果なのだ。生き残るために住みよい場所を探し、できることを試みる。その姿はいつも純粋でがむしゃらだ

▼新政権が掲げたマニフェストが着実に実行されれば、公共工事の減少は避けられない。そうなれば建設業界の数も減って行かざるを得ないのは明白だ。今までと同じことを続けていたのでは、厳しい環境の中、生き残っていく事はできない。現状を的確に捉え、経験を活かし、知恵を絞り、工夫を凝らし、がむしゃらに前へ進んだ者だけが選択されてくるのだろう。(新潟・YY)

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