コラム

2009/12/08

慣例にも間違い(東京・YO)


▼駅のエスカレーター。2人の外国人が横に並び、話をしていた。当然、当たり前のように見られる追い越しはできない。すると後ろから来た別の外国の方が「チョット、スイマセン」と声をかけると、ひとりが「ゴメンナサイ」と軽くお辞儀をし、片側をあけた

▼ご承知の通り、エスカレーターの乗り方としては、急ぐ人などが追い越せるよう、どちらか片側をあけることが慣例となっている。「左あけ」や「右あけ」など地域により違いがあるが、外国でも同じような慣例があるようだ

▼ところがである。(社)日本エレベータ協会HPには、エスカレーター踏段上の歩行(右あけ、左あけ)について、危険および禁止と位置づけている。その理由は、すり抜けざまの接触による思わぬ事故、バランスを崩しての転倒、ケガなどにより片方の手すりにしかつかまることができない人への配慮など。片側をあけると重量(荷重)バランスが崩れ不具合を誘発、また振動で安全装置が働き緊急停止することがあるという

▼正しいエスカレーターの乗り方は、走ったり歩いたりせず、きちんと手すりにつかまり、黄色い線の内側に立つこと。最近では、多くの場所で歩行禁止の呼びかけが始まっているそうだ。その成果はつまびらかではないが、大きな動きになっていそうである

▼我々は日常当たり前のように感じていたことが、実は間違いだと気づかされることが間々ある。エスカレーターの乗り方に限らず、日々いくつの過ちを知らず知らずのうちに犯しているのだろうか。いつも正しい事ばかりが慣例化しているとは限らないと知って、改めて周囲を見回してみた。(東京・YO)

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