コラム

2010/01/29

格差社会の解消を(茨城・KK)


▼早いもので、年が明けてひと月。関係団体の賀詞交歓会も今が佳境。幕開けの華やいだ中にも、新政権の混迷する政策に対する不安も手伝ってか、「今年は正念場」との緊張感も漂う

▼「日本の貧困率15・7%。先進国で際立つ高水準」―昨年10月、日本政府として初めて発表した貧困率に愕然とした。公表されたのは「相対的貧困率」。全国民の所得を高い順から並べ、その真ん中を基準にした時、その半分に満たない人が全体に占める割合を示すというもの

▼社会における所得分配の不公平さをはかる指標に「ジニ係数」がある。係数の範囲は0から1。1に近いほど格差が大きい。1人が全てを独占しているときは1。0のときは完全な平等。つまり皆同じ所得を得ている状態を示す

▼日本の「相対性貧困率」は1998年以降の3年ごとの数値もあわせて公表された。98年時点では14・6%、01年15・3%、04年は14・9%だった。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国のなかで、04年の日本の貧困率14・9%は、メキシコ、トルコ、アメリカに次いでワースト4位。「ジニ係数」は日本は80年の0・32から、01年には0・38まで上昇している

▼主要国のジニ係数は、アメリカ0・34、イギリス0・34、フランス0・26、フィンランド0・24、デンマーク0・23…。日本の格差の進行は深刻だ。かつて「1億総中流」と言われたわが国だが、今や「勝ち組」「負け組」という言葉もすっかり定着した感がある。資本主義である以上、格差ゼロというわけにはいくまいが、これの是正は政治がキーを握っている。新政権に期待したい。(茨城・KK)

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