コラム

2010/03/26

原点回帰の若者たち(茨城・KK)


▼お彼岸も終わるこの時期、新入学、進級を控えた学生、新しい職場や部署に異動の社会人は準備で大忙しのことだろう。それぞれの新たな環境で一層の飛躍を期待したい

▼今春の大学入試で、明治大学が、志願者数11年連続トップの早稲田大学を抜き、初の日本一がほぼ確実になった。私大の受験料は3万5000円が相場。1人当たりの受験数は昨年度5・42校・学部。「不況で受験生が無理をしなくなった」のが要因と見られている。従来ならば浪人覚悟で早大、慶大を目指した層の受験生が明大などに流れたとの分析だ

▼某生命保険会社の調査によると、かつて高収入・高学歴・高身長の「3高」といわれた独身女性が結婚相手に求める条件が、新しく「3K」に変わってきたという。「価値観が合うこと」「金銭感覚の一致」「雇用形態の安定」の3Kがそれ。ちなみに「高収入」は9位だが、「高学歴」は19位、「高身長」は20と下位にとどまった

▼学習内容の削減や完全週休2日制など「ゆとり教育」を受けた第一世代(1987年度生まれ)の大卒者が今春、社会に出る。高校卒業、短大卒業者などは、すでに社会人だ。「指示待ち」、「ミスを怖がる」といった、あまり芳しくない評判も耳にする。いつの世も年長者が若者を見る目は手厳しいものだが

▼30年前、40年前なら「物質的な面で豊かになりたい」と言う人が多かったろう。現代の若者たちは、バブル期に生まれたにしても、物心ついてからは、経済は右肩下がりが続いている。彼らの「足るを知る」考え方、原点回帰の生き方には好感が持てる。まだまだ捨てたものではない。(茨城・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら