コラム

2010/04/02

子供手当も景気と雇用に(茨城・MK)


▼年度末を迎えて県や市町村の来年度予算が次々と成立している。景気が低迷しているため税収などが大きく落ち込んでいる自治体もあり、来年度予算は今年度よりも減額計上する自治体が多いと思っていたが、意外にも増えている団体がある。なぜか

▼それは「子ども手当」に代表されるように「扶助費」が増えているからだ。例えば水戸市。市税は約13億円、23・1%もの減少を見込んでいるのに対して、子ども手当や生活保護などの扶助費は32・6%の大幅増。予算全体の4分の1が扶助費となり、人件費や公債費も加えた義務的な経費は、予算の約60%を占めるまでに膨れあがっている。ここにも、現政権が打ち出した「コンクリートから人へ」の政策が現れているようだ

▼逆に、大きく減っているのが、市民の安全・安心を守るための公共事業費。水戸市の場合は今年度に大型事業が終了したこともあり、投資的な事業に充てる普通建設事業費は約25%の減少だ。予想していたこととはいえ、その減り方に改めて驚く

▼しかし今年度の最終補正予算は各自治体で軒並み増額となっている。国の補正予算の経済対策や交付金などを受けて、学校の耐震補強工事や公共施設の細かい維持修繕などの費用を計上しているからだ。執行は来年度に繰り越すため、事業の急激な落ち込みはある程度カバーできることが期待される

▼子ども手当など家計に直接お金が渡る政策もそれはそれで大事と思う。しかし、目下の大きな課題は「景気対策」や「雇用対策」ではないのか。子ども手当が、景気の浮揚や雇用に結びつけば良いのだが、あと一歩理解できない。(茨城・MK)

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