コラム

2010/04/06

NYタイムスの気位(茨城・HN)


▼首都圏3番目の空港となる茨城空港が3月11日、開港した。安い、気軽、コンパクトがコンセプト。シンプルに良くまとまった造りで、無料駐車場も利用者にとって大きなメリット。海外で成長著しいローコストキャリア(低コスト航空会社)の受け皿となる空港を目指している

▼しかし、開港した時代が悪かった。民主党政権下の現在では、無駄な公共事業を洗い出す作業が本格化。これに便乗して大半のマスコミは、地方における不採算空港の一つになるだろうと手厳しい見方。1日2便のみの就航も、これに拍車をかける

▼だが、ニューヨークタイムズ紙3月11日付けの取り上げ方は、日本のマスコミと一線を画す内容だった。至る所を極限まで削ぎ落とした「格安旅行向けの茨城空港」は、日本のための斬新なアイディアだと絶賛。「過剰なサービスを排除したこの施設が、ローコストキャリアにとってハイコストな日本の首都に風穴を開けるかもしれない」と評価したのだ

▼同じマスコミにあって、こうも違った評価になるのかと衝撃を覚えた。そもそも日本のマスコミが偏向報道になりがちな体質にあるのかもしれない。日本人は、とかく周囲に左右されがちな人種だ。一人が正しいと決めた方向に自分も向いていないと、相手にされなくなるという不安心理が働くのかもしれない

▼それならば、同じ方向に批判してばかりでなく、一度立ち止まって違う見方をしてみてはどうだろうか。ニューヨークタイムズ紙のように、周りに流されずに毅然と本意を報道する気位が、日本のマスコミにも求められているのかもしれない。(茨城・HN)

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