コラム

2010/05/27

エコとちょっと変なエコ(埼玉・YS)


▼ノーベル平和賞を受賞したマンガリ・マータイさんが唱える「もったいない=エコ」が浸透してきた。自動車ではトヨタのHVや日産のEV。家電製品ではLEDランプや電力消費の少ないハイビジョンTVに冷蔵庫など。屋根にはソーラーパネル。それに最近では洗濯洗剤にもその波が押し寄せている

▼昔、映画俳優の故鶴田浩二さんの歌で「右を見ても左を見ても真っ暗闇じゃ、ございませんか」というのセリフがあった。真っ暗闇ではないものの、今では前後・左右どこを見てもエコだらけになっている環境には驚きである

▼しかし、ちょっと変なエコがある。国道407号・荒川大橋には、太田方面は左に寄れ。そのほか右折レーン新設工事付近では、この先工事左に寄れ―と。前者は埼玉県か熊谷市が付けたのであろう。後者は請負業者が設置したものだ。言葉のエコかもしれないが、言葉が短くなり命令口調では、地域住民や通行ドライバー、納税者に対し配慮が足りないのでは

▼工事の入札価格でも、そういった現象が起きている。設計金額・予定金額・最低金額を下回るエコが大いに流行っているから問題だ。設計仕様に添って工事をするから設計金額。それをダンピングで受注すれば図面仕様製品は使えなくなる当然だが大赤字になる。安全面でも保障が保たれないなども考えられる

▼しかし工事検査を受け、滞りなく竣工したならば、これは「受注会社の企業努力」と一言で片付けられてしまうのか。やはり適正が原則だろう。発注者はこのことに大きな関心を寄せ、今一度真剣に考え直す時期に来ていると思うのは錯覚か間違いか。(埼玉・YS)

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