コラム

2010/09/03

ハードランディングの必要(埼玉・YW)


▼時代の大きな転換期には時として劇薬が必要である。ソフトランディングで曖昧にしてみんな仲良く、3方良し―などといったことが島国日本人気質では。しかしそれを根底からひっくり返すハードランディングが、今こそ必要ではないか

▼ユニクロを運営する親会社とテレビ局乗っ取りをたくらんだ若きIT企業家が、社内の公用語を英語とした。昇進・昇格も英語力がリンクしてくるという外来の圧力ならぬ社内のトップ判断で劇薬を飲ませたことが、大きな話題になった

▼ある大手企業の社長は、時と場合で英語と日本語を使え分ければ良いではないか―という発言している。しかし個人的意見としては、劇薬が必要と判断して行ったわけで劇薬の意味としては非常に有効な気がする。やはりぬるま湯につかるよりも強力な刺激、ハードランディングとして何かを行使しようとすると劇薬、つまり今回の場合は英語の義務化で悪くはないと思える

▼建国して10数年経過したにもかかわらず、シンガポールは、マレー語、インドの言語、中国語が飛び交い、かつ宗教も民族もバラバラだった。そうした環境の中で、強力に英語を統一言語とした。筆者はそのことを知り、「そのうち、日本を貿易大国として追いぬくぞ、彼らには中継貿易のビジョンがある、見に行こう」と、訪れたことがある

▼何か目標をたてること、ビジョンを掲げるとき、日本的ソフトな緩やかな変革では時としては功をなさないといいたいのだ。劇薬をもって自らを追い込み、心も理念も一気にハードを必要とする時代はくる。いつまでも緩やかで刺激に弱い日本人ではいけない。(埼玉・YW)

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