コラム

2010/09/07

海外に挑戦する人たち(茨城・HS)


▼4年に1度の祭りが終わり、世界のプロサッカー界は新しいシーズンに突入した。ワールドカップで奮闘した我らが日本代表の中には、その活躍が認められ、戦いの場を欧州に移した選手が続出した。人気選手の流出は寂しいものだが、代表のレベルアップのためにどんどん挑戦して欲しくもある

▼残念なのは、日本人の海外移籍が増える反面、大物外国人選手の日本への移籍が少なくなっていること。以前は全盛期を過ぎたとはいえ、ワールドクラスの大物が当たり前のように来ていたものの、最近は資金で勝る中東やアメリカに行ってしまうことが多い

▼出る人が増え、来る人が減るということは、企業経営と同じでそこに人を惹きつける魅力がないということでもある。それに対し「努力が足りない」だの「もっと投資するべき」と言うのは非常にたやすい。しかし、不況にあえぐ現在の経済情勢では、より根本的な変革が必要だ

▼デフレ、円高株安、一向に改善されない失業率などなど、逆風の勢いは弱まる気配を見せない。国は国で何がしたいのかまったく分からない。結局、一番頼りになるのは自分の力ということになる。自分の道は自分で切り拓くという気概こそが、この不安定な社会で生き抜く力に結びついてゆくだろう

▼さて、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』ではいよいよ薩長同盟が成立し、物語は海援隊の結成に向かって進んでいくことになる。龍馬に触発されて、海外への志向を持つ若者も増えるだろうか。増えすぎて国内が衰退するのは困りものだが、より広い舞台で思う存分活躍したいと願う気持ちは素直に応援したい。(茨城・HS)

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