コラム

2010/09/08

公共事業の理解促進を(群馬・HI)


▼8月27日、国土交通省の来年度概算要求が公表された。公共事業関係費の合計は4兆8342億円で対前年度比0・5%減。この額が多いと見るか少ないと見るか、それとも妥当な数字なのか

▼前原大臣は公共事業について、昨年の衆院選マニフェストで掲げていた「4年で1・3兆円の削減」を1年で達成したのだから、今回の要求額が削られることはない―との見解を示している。しかしマスコミの中には、「コンクリートから人へ」という方針に逆行する動きだといった論評も

▼本年度、大幅に削減された公共事業費の影響が顕在化すると言われる下期に向けて、回復基調にあると言われた景気も、急激に進んだ円高が水を差し、頼みの民間需要も期待薄だ。建設業界にとって、民間投資と公共投資という両輪が崩れればどうなるかは明白だ

▼建設業界が、地域で清掃活動をしたり、重機と触れあう場を設けたりするボランティア活動が広がっている。清掃活動では、集まったゴミの多さに驚くとともに、作業してくれた人に頼もしさを感じる。子どもを対象にしている重機体験では、同乗している保護者の方が、子どもにも負けないほどの笑顔で喜んでいる姿が見られることもある

▼8月のある猛暑の日、通りにくくなった歩道の改修工事現場で、真っ黒に日焼けした顔に白く光る真剣な眼差しをヘルメットの下に見た。数日後、その現場を自転車や歩行者が快適に通行していた。今、公共事業の現場で働く人は、品質確保、安全対策、工期短縮など、多くの要求を背負って取り組んでいる。公共事業は多角的な評価と理解促進が重要だ。(群馬・HI)

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