コラム

2010/09/16

ものがたりのチカラ(東京・UT)


▼小説、映画、テレビドラマ。言うまでもないことだが、これらは娯楽、国民の趣味として定着している。色々なジャンルがあるが、中でも刑事モノが好き、という方も多いのではないか。そもそも刑事モノは数が多い。近年のヒット作として「踊る大捜査線」などが頭にパッと浮かぶ

▼ものがたりに接する時、多くの人は主人公に感情移入する。刑事モノもしかりで、危険を顧みず凶悪犯と対峙し逮捕する王道のストーリーは、警察という組織のイメージアップに、多大な貢献を果たしている。刑事モノに感銘を受けて職業に選んだ、という方もいるのではないか

▼全国建設業協会は今年度、建設業や公共事業の必要性について国民の理解を得ていくため、イメージアップ活動を推進する方針を打ち出している。また全国建産連の絹川会長も今年度の総会あいさつで、「建設産業の重要性、地方建設業の存在価値を広く国民に知ってもらわなければならない。そうしない限り、建設産業は弱者のままあり続けなければならないのではないか」と訴えた

▼ものがたりのチカラは大きい。建設業関連の作品としては空前の難工事だった黒四ダム建設の苦闘を描いた映画「黒部の太陽」や、若手ゼネコン営業マンが談合に加担しつつ自分の正義を模索した小説「鉄の骨」などが思い浮かぶ

▼こうした建設関連の業界をテーマにした作品がもっと出てきてほしい。また埋もれている伝説、密かなストーリーを表に出す努力も必要ではないか。イメージアップ戦略としては邪道かもしれない。ただ、なりふり構っていられないほど、「悪」の印象が定着してしまっているのだから。(本社・UT)

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