コラム

2010/12/08

木材の可能性に期待(群馬・KS)


▼筆者は木造が好きである。日本家屋の顔は木造。木造軸組工法などの木造工法は、古くから伝わる日本の伝統工法に由来しそれを簡素化、発展させたもの。日本建築の工法の要である木は、鉄骨や鉄筋コンクリート造よりも低コスト施工が可能で、長く注目される資源だ

▼「グローバル企業として生き抜くため、英語を社内公用語に」このフレーズは記憶に新しい。日本企業が生き残るために、日本マーケットだけに留まるのは無理がある。早期の世界マーケットへの参入が不可欠。筆者はこの思考が木材の今後の行く末に似ていると考えている。人は木材の潜在能力をどこまで引き出すことが出来るのか

▼大型施設は、鉄骨や鉄筋コンクリート造りの施設が一般的。もちろん投資すればハイレベルな大規模木造建築も可能かもしれない。ただ、経済的にも安価施工ができればそれに越したことはない。さらに強度などが鉄骨造などと同程度であれば文句なしだ

▼先日、園舎新築の工事現場で能力が鉄骨並レベルという木造建築を取材した。施工は地元企業。大型材を利用した特殊建築ではなく、地域産の加工材を利用し、工夫を凝らした設計内容で工事が進められていた。筆者は素人だが、大型施設の木材参入に向けて、しっかりとした構造設計を定着させていくことが鍵となると感じた

▼今年5月26日、公共建築物木材利用促進法が成立した。さらに外材でなく県産材利用の促進、二酸化炭素吸収源の取り組みなど木材となる森林を取り巻く環境が変化していることも踏まえつつ、今後の住宅以外の木造建築が積極的に行われることに期待したい。(群馬・KS)

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