コラム

2010/12/18

叶えてほしい要望(東京・JI)


▼電車の中で、小学生がクリスマスについて話していた。「サンタも金持ちだよね、みんなにプレゼントをあげるんだもん」「実はお父さんとお母さんが買ってたりして」「えー、そうなのかな」どうやらサンタクロースがいるのかいないのか判然としていないらしい。彼らは現実と虚構の間に立っている

▼ところが彼らは、サンタクロース存否という大問題の解決方法を見い出した。「お父さんとお母さんが買えないようなものをお願いしてみようかな」「それがもらえたらサンタクロースはいるっていうことだね」彼らは一体どんなものを注文するつもりなのだろうか。買えないようなもののリクエストに、両親はさぞかし驚くことだろう

▼国会には、民間からのさまざまな請願が議員を通して提出される。請願は委員会に付託され、審査で採択すべきか否かを決定する。衆参両院の国土交通委員会であれば、公共工事増などの要望が出されている

▼しかし、請願のほとんどは審議未了で流れてしまう。事務局によると、与野党の意見が合わず結論が出ないらしい。かくして請願提出者は、次の国会にも、その次の国会にも文書を提出することとなる。要望はいつになっても叶えてもらえない

▼我が家の小学生の息子は爪を咬む癖が止められず、両手の指先がぼろぼろになっている。女房が「爪を咬む人のところにサンタは来ません」と強い口調で叱り飛ばしているのだが、相も変わらずテレビを見ながら指をかじっている。彼のサンタへの願いは、親を悩ませるようなものではない。悪い癖はいずれ直ると信じて、今年も枕元にプレゼントを忍ばせようと思う。(東京・JI)

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