コラム

2010/12/21

知りにくい真実(茨城・HN)


▼ある取材の帰り、他紙の記者と話す機会があった。その人は、人生の大半をこの道で過ごしてきた地元紙の記者。聞きたいことは山ほどあるが、質問攻めにはできまいと、遠慮ぎみに話を重ねる

▼すると、その記者が「最近の新聞はどれも面白くない。みんな同じような記事だ」とぼやいた。建設専門紙記者の小紙にとって、情報を幅広く扱う一般紙の記者は、違う存在だ。ましてや倍以上の人生を歩んでいる人であればなおさら。そんな人生の大先輩のぼやきが、何故か胸に残った

▼TBS系列のテレビ番組『情熱大陸』に出演した田原総一朗さんはとても印象的だった。政治家であれ、ツイッターで知り合った大学生であれ、真剣に向き合う姿勢に変わりはない。知りたいものがあれば自ら聞きにいくスタンス。「一般紙の情報は信用してはいけない」と田原氏。ブレることのない硬派のジャーナリストだと感じた

▼冒頭の大先輩。別な会合でお会いした際にも、いまの新聞記者を「みんな仕事と割り切って書いているんじゃないか。言いたいことは誰1人として書いていない」とバッサリ切り捨てた。そして、「自分も同じだが」と、少しため息まじりに言葉を付け加える

▼NHK系列のテレビ番組『爆笑問題のニッポンの教養』で日中関係を議論する中、爆笑問題の太田光さんが、今のメディアを「知りやすいけど知りにくい媒体」と評した。中国=悪を印象づける報道。そんな報道が、公共事業=悪を方向づけたのでは。インターネットも普及し、同じような情報が瞬時に浸透する。一般の情報には流されず?知りにくい真実?を伝えていければと思う。(茨城・HN)

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