コラム

2011/01/19

当たり前の生活(群馬・SS)

当たり前の生活

▼「卯」年。株式相場の世界には「うさぎは跳ねる」という格言があるようで、その通りに東証大発会での日経平均株価は高値水準を回復したもようが伝えられた。新年早々、希望あふれるニュースを聞き、なんとなく温かな気持ちになった。

▼毎年、正月の過ごし方は変わらない。駅伝観戦が定番となっている。元日は頂戴した年賀状をながめ古い友人を懐かしみ、その後は群馬県内が舞台となるニューイヤー駅伝の応援に沿道まで駆けつけ声援を送る。2、3日は箱根駅伝をTV観戦し、感動をおすそわけしてもらった後、初詣に向かう。これが例年のパターンとなっている。

▼そんな中、当たり前の生活を奪われた人々もいた。年末年始に山陰地方を襲った大雪では、雪の重みに耐えきれず鉄塔が折れ曲がり、漁船が転覆した。交通機関の乱れや停電も発生し集落は孤立、平穏な正月気分どころか日常生活も吹き飛んでしまった。自然の脅威を改めて思い知らされた。

▼これらのニュースを聞き、当たり前の生活というのは、さまざまな人たちに支えられていると再認識させられた。駅伝の主役は言うまでもなくランナーだが、道路管理者も駅伝の円滑な進行に一役買っている。降雪時には地域に密着した建設業者が中心となって除雪に取り組んでいる。

▼多くの人は、日頃からこのような縁の下の力持ちを意識することは少ないのではないだろうか。恥ずかしいことだが筆者も同様である。だが私たちの当たり前の生活というものは、あまねく建設業界に支えられている。大雪が、当たり前の生活とそれを支えてくれる縁の下の力持ちの大切さを再認識した。(群馬・SS)

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