コラム

2011/02/01

昨今の事件に学ぶ(茨城・HN)

昨今の事件に学ぶ

▼今年も1カ月が過ぎた。その早さたるや、兎が跳ねるが如くである。ならば、仕事においても跳躍の年としたいところ。だが、ことしの行動計画を考えていると、あれもしなければ、これもしなければと五里霧中である。

▼それにしても、昨年から新年にかけて、茨城では痛ましい事件が続いている。JR取手駅前のバス車内で起きた無差別襲撃事件や土浦市荒川沖ホームセンター駐車場での中学生刺傷事件。死者の発生という最悪の事態には至らなかったものの、取手では通学途中の中高生ら13人が軽傷、土浦では中学生男子生徒が重傷の惨事となった。

▼いずれも容疑者は男性で、取手は無職の27歳、土浦は自称運送業の34歳。一般の社会人であれば仕事にも慣れて働き盛りの年代である。なかでも取手の無職男性は、大学受験に失敗し、その後、およそ10回にわたる転職。一昨年に工場を退職し、部屋に引きこもっていたという。

▼高校時代、その容疑者は同級生に「早稲田大学に行きたい」と話していたという。己の目指す希望の道が途絶え、転職を繰り返した。自分がやりたいと思うことがうまく行かず、それでも働かなければならない状況に、苦悩していたのかもしれない。仕事に意欲を見出せていれば、犯罪まで至らなかったのではないか―。悔やまれてならない。

▼社会人として仕事は必然で、加えて多忙な毎日である。その繰り返しの中で、いつの間にか「やりたい」が「やらなければ」に変わってしまうことは、誰しも陥りがちなこと。希望や夢を持って「やりたい」という初志を切らさず、仕事に打ち込みたいものである。(茨城・HN)

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