コラム

2011/02/03

総合評価方式の趣旨は(山梨OS)

総合評価方式の趣旨は

▼山梨県内でも多くの自治体で取り入れている総合評価落札方式。価格と、それ以外の要素を総合的に判断して落札者を決定するという、公共事業では、おなじみの入札方法だ。この方法が取り入れられるようになったのは、品確法に基づく工事品質の確保と優良企業の育成が目的だった。

▼1円でも安ければいいという従来の価格本位の方法ではなく、価格とともに施工者の技術力や工事成績、環境や安全な施工体制への配慮などを評価することで、公共事業の品質を確保しようと始めた―と認識している。

▼しかし、県内の総合評価による入札の状況を見ると、価格競争優先の状態が続いている。昨今、県内市町村で行われる総合評価と言えば、施工計画の提出を求めない特別簡易型が大半。施工計画以外の配置予定技術者の能力や企業の施工実績などの項目は、応札者が予め評価点を予想でき、仮に加算点が低いとなっても、それをカバーするだけの低い金額で入札すれば落札することは可能。実際こうしたケースが多く見受けられる。

▼そうすると実質、加算点の低い=技術力の低いとされる業者が落札することになり、品質の確保を目的とした総合評価の趣旨に反する。ある業者は「総合評価と言えど安い金額で入れれば取れるのだから、やはり価格競争」と話し、この方法のあり方を疑問視する。

▼自民党内では、入札行為自体をなくし、価格以外の要素で施工者を決める内容の議員立法を検討する動きがあるとされる。それには契約価格の設定方法など問題はあるが、実現すれば工事品質を確保する意味で優れた方法になりうるに違いない。(山梨・OS)

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