コラム

2011/04/05

グランクラスを待つ(東京・HM)

グランクラスを待つ

▼3月5日、東北新幹線はやぶさがデビューした。あの明るい緑色のカラーリングは格好良く、なにより飛行機のファーストクラスのような「グランクラス」車両が魅力だ。専属のアテンダント、ゆったりと豪勢な本皮シートは1車両に18席のみと空間を贅沢に使った。あそこでビールを飲んだらさぞかし美味いだろう。

▼華やかなデビューから1週間も経たない3月11日、M9・0の大地震が発生した。東北新幹線も大きな被害を受け、数週間が経った今でも、一部運転が再開されていない。新幹線の駅などから、はやぶさのポスターは消えている。

▼今回の震災による被害は大きく広く、そして長い。計画停電は当分続きそうだし、放射線の恐怖もつきまとう。被災地の人に比べれ、と言ってしまえばそれまでだが、本当に広い範囲で多くの人がストレスを感じながら生活している。

▼ストレスは、一過性であればそれほど問題はないが、放射線のように浴び続けるのがよくない。いつ終わるのか分からない停電に対するストレスは、一定量で推移するのではなく、毎日少しずつ積み重なり増えていく。ストレス発散を、と思ってもそれがまた停電でできないとなればさらにイライラがつのる。

▼では、どう考えればよいのだろうか。筆者は、当然だが日本はこの震災からも必ず復興できると信じている。陳腐ではあるが、その日のことを考え、未来に希望を持って日々を過ごしている。グランクラスの車窓から、復興が進み活力が戻りつつある街を見ながらの北国への旅。楽しみへの期待を感じる期間が長い分いいと思いながら、仕事に取り組んでいる。(本社・HM)

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