コラム

2011/05/21

想定外な夏へ準備を(新潟・YY)

想定外な夏へ準備を

▼大規模停電を避けるため東日本大震災で発電所に被害を受けた東京電力、東北電力管内では節電への取り組みが続いている。電力消費量が最も大きくなる夏に向け、さらなる節電への取り組みが求められているところだ。

▼新潟県では夏に向け、計画停電を避けるため、「ピークカット15%」と銘打ち、電力消費量ピーク時における計画的な節電を試みた。これまでに2回のトライアルを実施。初回の4月13日は前年比で17%削減し、目標が達成できたが、同27日に行われた2回目のトライアルでは残念ながら目標には届かなかった。しかし、同試みに参加した企業、個人は、電力消費を抑えるために、何をすべきか、何ができるのかを、夏を前に確認できたのではないだろうか。

▼昨年の夏は記録的な猛暑だった。消防庁のまとめによると、2010年7月〜9月に熱中症で救急搬送された人数は全国で5万3843人となり、前年同時期の1万2971人の4倍以上と格段に増えた。このうち死亡者は167人に上った。

▼また、高齢者が自宅で熱中症になり亡くなる事故も度々ニュースで報じられた。高齢者に対しクーラーをつけるよう奨励していた。一転今季は電力消費量がピークとなる時間帯は外出するよう呼びかけているが、高齢者が自宅を出て涼を取る場所がなければ、また同じ事故が起きてしまうのではないか。

▼自然の大きな力を前に想定外はつきものだと先の大震災で身をもって感じたとおり、誰も予想できない猛暑と再びなるかもしれない。すべからく危機感を持って、今から出来得る限りの準備を進めていくべきではないだろうか。(新潟・YY)

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