コラム

2011/05/27

欲しい心のゆとり(茨城・KM)

欲しい心のゆとり

▼「ドッカーン!」ゴールデンウイーク期間中、目の前で交通事故が発生した。筆者は信号で停車する際、コンビニエンスストアから出てきた車にスペースを空けた。出てきた車の運転手は一礼後、そのまま前を横切り右折車線へ。右折用矢印式信号機が消えかかるタイミングだったため急いだのだろう。後方を確認せず、右折車線を走ってきた車とそのまま衝突した。

▼ことしの茨城県内におけるゴールデンウイーク期間の交通事故死者数は1人となり、これまでの最少記録(2人)を24年ぶりに更新。昨年からは4人減で、全国順位は昨年のワースト4位からワースト29位まで上昇した。

▼しかし、本年の県内における交通事故死者数は5月11日現在で59人。うち65歳以上の高齢者が31人と半数以上を占め、全国ワースト3位となっている。これら高齢者の事故に対応するため、茨城県警察は今月11日、青信号時間内に渡りきれない歩行者の安全確保に効果のある「歩行者感応式信号機」を水戸市の駅南中央交差点に導入した。

▼この信号機は、横断歩道上の歩行者をカメラでとらえ、青信号中に渡りきれない歩行者がいる場合は、自動的に青信号の時間を5〜15秒間延長する優れもの。青信号点滅時には「信号が変わります」と呼び掛け、赤信号で横断を試みる人には「危ない。渡らないでください」などと警告する。

▼一昔前「赤信号、みんなで渡れば怖くない」などの言葉が流行ったが、今や歩道を歩いていても怖い時代。歩行者の安全確保が進むのは歓迎だ。しかし横断歩道上に渡りきれない歩行者が居る場合、少し待ってあげるぐらいの心のゆとりが欲しいものだ。(茨城・KM)

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