コラム

2011/09/17

熱い日本の潜在能力(新潟・CY)

熱い日本の潜在能力

▼ある日、ラジオからこんな会話が流れてきた。「日本は温泉大国だから、電気は使い放題でしょう?」「いや、そうでもないんだ。地熱発電の割合はとても低い」「え、それは本当?どうして恵まれた条件を使おうとしないのかな?」「…」

▼続いて番組はアイスランドの地熱発電を紹介。ヨーロッパを混乱させた昨年の火山噴火は記憶に新しい。ご存じのとおり再生可能エネルギー先進国、なんと100%というから驚く。約7割を氷河による水力発電、残りはマグマを利用した地熱発電で賄っている。

▼注目すべきは、この国の発電所のタービンは日本製という点だ。福島の原発事故以降、世界が注目するアイスランドの発電は、日本の技術に支えられている。日本でも地熱発電の開発の歴史は古い。特にオイルショック以後急伸するも、1995年以降は横ばい。国際的には再生可能エネルギーとされている地熱だが、97年に制定された我が国の新エネ法で、太陽・風力のみを新エネルギーとし、地熱は除外された。

▼それでも、従来型発電への依存を減らそうという動きのなかで、温泉水や地熱の活用は自治体や企業といった単位で震災以前から見られた。課題は多いが、アイスランドの例を見ると絵空事ではない。新潟県でも、松之山温泉(十日町市)で小規模地熱発電の実証実験が始まる。100度に満たない源泉の熱源で小型タービンを回すという。

▼人の振動を発電に活かす技術も開発されたほどだ。いつか温暖化を逆手に取った技術や、いつも怒りのエネルギーを爆発させている、誰かさんの熱を利用した発電なんかもできるかもしれませんね。(新潟・CY)

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