コラム

2011/10/08

避難訓練ノススメ(東京・HM)

避難訓練ノススメ

▼東日本大震災から7カ月を迎えようとしている。各家庭で防災対策を行った人も多いのではないか。筆者も震災後に防災対策を見直してみた。避難グッズなどは、セットになって販売されているので、買い揃えることは簡単だ。しかし災害時の行動をシミュレーションするとかなり難しいことが分かる。

▼我が家は、猫と犬を飼っている。避難する場合、猫と犬はどうするのか。まずケージに入れて車に乗せる。しかし通勤で車を使っている場合はどうする。夜だったら、雨だったら…。筆者の家では妻が学習塾をしてるので、塾中の時は生徒をどうするのか。いろいろなケースを想定していくと本当に難しい。ぜひ、各家庭でも真剣に考えるべきだろう。

▼震災後に、さまざまな立場の被災者から話を聞く機会があった。共通して言うことは「事前の準備の重要性」。事前に訓練しておくことで、想定外の事態にも対応しやすいと言う。それは、公共団体でも企業でも個人でも変わらない。

▼我が家でも避難訓練を行ってみた。猫を捕まえてケージへ、犬に首輪を付けて車へ、防災グッズも詰め込み、近所の中学校まで行く。簡単そうだが、やってみるとそれぞれの役割分担の取り決めの重要性が分かる。戸締りをどう確認するのかといった新たな疑問も出る。どうしても荷物を多めに持ち出したくなる。パニック状態になった時、この経験が重要なものになるのだろう。

▼震災後、日本全体のハード整備の重要性も指摘されている。その一方で、1人1人ができることもまだまだある。そういう個人、家庭の防災力の強化が最終的には国全体の強さにもつながっていく。(東京・HM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら