コラム

2011/11/01

黄門様譲りの手腕を期待(茨城・KS)

黄門さま譲りの手腕に期待

▼茨城はまたしても最下位だった。地域や企業のブランド研究やコンサルティングを行うブランド総合研究所が、47都道府県を対象に実施した「地域ブランド調査」の魅力度ランキングである。さらに3年連続でワーストというから到底看過できない事態である。

▼しかもそれに先立って悲報があった。茨城が誇る、完全無欠で勧善懲悪の時代劇「水戸黄門」が42年も続く長寿番組にもかかわらず、年内で終了することが決まった。大げさかもしれないが、黄門さまがいなくなったら、茨城には何が残るのか。さらに魅力度が下がるのではと思うと絶望的である。

▼事態を憂慮した水戸市の高橋靖市長を筆頭に、縁の深い那珂市、常陸太田市では、すかさずTBSを訪れ、存続を懇願。加えて地元の「水戸黄門愛好会」の有志らが必死に署名活動を展開。インターネットを中心に茨城だけでなく全国から約1万5000人の署名が集まっているという。

▼これらの熱い活動が功を奏したのか、現在TBSでは、お正月やお盆などの時期の特別番組として存続させることが検討されているというからうれしい。しかし、一つ腑に落ちないのは、肝心の茨城県庁に目立った動きが見られないことだ。県のマスコットの「ハッスル黄門」もTBSを訪れ、全国の署名という『印籠』を突き付けてほしい。

▼茨城の魅力度アップは喫緊かつ永年の課題だ。県行政には、『大日本史』の〈ルビ〉編纂〈へんさん/ルビ〉や文化財の保存活動など、ソフトパワー増強にまい進した水戸黄門こと徳川光圀氏譲りの手腕発揮を期待したい。そして来年こそは最下位脱出をと願っているのだが。(茨城・KS)

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