コラム

2011/12/10

未来への準備をしよう(東京・JI)

未来への準備をしよう

▼建設経済研究所が10月に発表した建設投資の見通しによると、今年度と来年度の建設投資は復旧・復興で増加するという。政府建設投資も住宅投資も非住宅投資も増加の予想だ。ただし来年度半ば以降は復興需要が落ち着くと見ている。

▼同研究所の建設経済レポートによると、今後の建設投資は依然として低い水準で「建設企業にとっては厳しい状況が続く」という。さらに、建設業向け貸出率の高い信用金庫が、比率を低下させる方向に動く可能性も否定できないという。建設業は「資金調達先の多様化、資金繰支援策の活用を通じて、資金を調達する必要がある」としている。研究所が示す建設産業の未来は決して明るくない。

▼『未来を変えるちょっとしたヒント』(小野良太著)という本で、著者は「未来への行き先は複数ある。道が一本に決まっていることはありえない」と述べる。「未来には今までの体験外のことが起こる」「未来をコントロールできるチャンスは現在にある」と書いている。

▼また、実現したいイメージの『ビジョン』を持つことが人や組織を前向きに駆り立て、達成された際に最上の喜びをもたらすと説いている。まるで何かの教典を読んでいる気分になったが、同書は未来学という学問を紹介する本である。

▼東日本大震災で発生した大津波でわかるように、想定外は起きる。それは震災のみならず、建設産業界においても同じことだろう。だからといって『一寸先は闇』ではない。前述の著者は「未来とはまったくわからないものではない」と言う。ならば推測や想像をして、今のうちから準備をする必要がありそうだ。(東京・JI)

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