コラム

2012/01/26

夜に響く大きな掛け声(山梨・SA)

夜に響く大きな掛け声

▼昨年のちょうど年の瀬のこと。陽も落ちて、辺りが闇夜にさしかかったころ、子ども達が何かを呼びかけているような声が、遠くから近づいてくるのに気づいた。

▼一体何の声かと思い、呼びかけている内容に耳を澄ますと「火の用心!。マッチ1本火事の元!」と、近くを通る県道沿いから、しだいに声が大きく聞こえてきた。そう、ご存知のとおり、子どもたちによる火の用心の防犯パトロールだった。当日は、大変寒く冷える夜のことだったので、おおいに感心した。

▼この季節、普段は、地区の消防団による消防自動車が、夜になると鐘を鳴らしながら巡回しているが、今回は募集により、子どもたちを夜回りパトロールに募ったようだ。懐かしく感じたこの夜回りは、掛け声を合わせるために打つ「拍子木」の「カチカチ」という、歯切れの良い音が、空気の澄んだ夜の闇から響くと、ふと忘れがちになる火の始末を再認識する。

▼防犯と言えば、昨年の12月中に、筆者の住む近所で白昼堂々と強盗事件が発生。しばらく周囲に緊張が走った。犯人は未だに捕らえられていない。そんな不安の中、夜に響く拍子木の音は、不安が和らぐ。夜回りというパトロールの試みには、寒い時期でつらく、夜のため危険も伴うが、地道な力で地域を守ることが、防犯の啓発に一番効果があるのではと感じた。

▼さて、1月から4月ごろまでの時期は、極めて降雨量が少なくなる。こんな時期は、晴天が続いて良いのだが、空気が乾燥した日いわゆる異常乾燥注意報が続く。子どもたちからの呼びかけに応えるためにも、火の始末は十分注意を心掛けたいものです。(山梨・SA)

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