コラム

2012/02/29

信用構築は難しい(群馬・SS)

信用構築は難しい

▼長らく続く不況に対抗する生活の知恵として、可能な限り買い物の際にはクレジットカードを使用することにしている。毎月の支出額を管理しやすくなるし、ささやかながらもポイントが付与され商品還元の楽しみも増える。少し調べるだけでも数多い種類のカードが発行されており、さまざまな特徴がある。

▼還元率を売りにするものもあれば、商品の返品と払い戻しを受け付けてくれるもの、手厚い旅行保険を備えるものもある。券面も一般的なものからゴールドカード、プラチナカード、果ては黒く光るブラックカード。信用を担保にした決済が可能だ。最高峰のブラックカードは揺るぎない信用の証そのものだ。

▼黒いカードは信用の証でも、黒い交際はその対極にある。群馬県のとある町が発注した下水道工事を舞台に贈収賄事件が発生した。どうしても工事を受注したい業者に対して町職員が金品を要求し、その見返りに工事受注の便宜を図ったのだという。業者の弱みに付け込んだ職員にも、それに応じた業者にも強い憤りを感じる。

▼東日本大震災からもうすぐ1年が経とうとしている。これまで建設業界はさまざまな形で復興に尽力してきた。建設業の役割が社会生活に必要不可欠と再認識され悪く見られがちだったイメージも回復しつつある。信用を積み重ねてきた中でのこうした出来事はあまりにタイミングが悪すぎる。

▼一度失った信用を取り戻すのは容易ではない。とりわけ悪いイメージが付きまとう建設業界にとって信用構築は最優先課題だ。筆者も報道を通じて必要不可欠な建設業界のイメージアップに一役買いたいと思っている。(群馬・SS)

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