コラム

2012/02/21

危険な大気から身を守る術(茨城・KM)

危険な大気から身を守る術

▼東京大学と交通安全環境研究所の研究グループは、高速道路上における二酸化窒素濃度およびその自動車内への影響調査結果を発表した。これによると、渋滞や上り坂の道路および総延長10km程度のトンネル内では、中央公害対策審議会の短期暴露指針値を超過する値が確認された。特にトンネル内では同値の10倍を超える値を計測。車内空調を外気導入モードにすると、車室内も車道上とほぼ同様な濃度となることが確認された。

▼人は汚れた大気を体内に取り込む前に、鼻毛によるフィルターを使い埃や空気中の微粒子を取り去る。このことから「空気が汚い場所では鼻毛の伸びが早い」と言う都市伝説もあるほどだ。

▼さて、もうすぐ鼻に厳しい花粉の季節がやってくる。スギ花粉に含まれる放射性セシウムの量は林野庁が調査中で、今月にも結果が発表される予定だが「その花粉がどの程度広がり、大気に影響を与えるか」についての大規模な調査はない。

▼これに伴い日本地球惑星科学連合など関係学会の調査チームがNTTドコモの協力を得て、東京電力福島第一原発の事故で飛散した放射性セシウムがスギ花粉に乗ってどれだけ運ばれているかを調べる。4月下旬まで、福島県を中心に宮城県や東京都、茨城県、栃木県の11カ所で花粉の飛散量や大気中の濃度などを観測する。

▼排気で汚れた大気、花粉、そして花粉に含まれた放射性セシウムの拡散。日本人を取り巻く大気中の環境は悪化しているようだ。もともと備わっている鼻毛フィルターのほか、マスク着用、手洗い、うがい等々、これら以外に何か自らを守る術はないものだろうか。(茨城・KM)

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