コラム

2012/03/20

建設業の誇り取り戻す(茨城・MK)

建設業の誇り取り戻す

▼「今回の活動を通して、建設業としての自信が回復した。シビルエンジニア(土木屋)としての誇りも、取り戻すことができた」。東日本大震災からの応急復旧に取り組んだある建設業の社長の言葉だ。社長は、過日開かれた「建設業活性化フォーラム」で自社の復旧活動を紹介し、出席者の共感を呼んだ。

▼この社長は、水路整備工事の現場で地震に遭遇。震災によって現場は液状化し構造物は破壊され、停電でポンプは停止。すぐに現場パトロールや点検を実施したが、度重なる余震で移動も難しかったという。当日は夜中まで堤防の点検を行い、自社に戻ったのは翌朝5時。その日も国と現場確認を行うとともに、災害協定に基づき即座に対応に動いた。地域のインフラ復旧に尽力したのだ。こういった関係者の努力があったため、迅速な復旧が可能になったのだ。

▼「3・11」後も、余震が相次いでおり、地震直後を思い出す機会が絶えない。弊社水戸支局も被災し、新聞発行は停止状態。筆者の自宅も被災し、水道、電気は数日間使えなかった。

▼だが、関係者の尽力で少しずつ日常を取り戻した。応急復旧に当たられた方も、自宅が被災しながらも持ち場で作業に取り組んだという話を聞いた。迅速な対応に感謝し、建設業に対する見方を変えた方も多いはずだ。

▼フォーラムでこの社長は「今回の応急復旧を通じて、私たちは『地域で必要とされている』産業だと感じた。私たちは崇高な使命と責任を背負っている。これが世の中から求められている建設業の役割と確信した」とまとめた。話し終えると出席者から大きな拍手が起きた。(茨城・MK)

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