コラム

2012/03/22

最近の現場用カメラに思う(新潟・SS)

最近の現場用カメラに思う

▼年度末の慌しい道路工事の現場を眺めていたら、監督が記録写真を撮るため黒板に文字を書いている。黒板を作業員に持たせると、防寒服のポケットから、小さいデジカメを取り出し、撮影し始めた。

▼以前の現場監督のイメージといえば首からカメラをぶら下げて、そのストラップに予備のフィルムやチョーク入れを取り付けて歩いている印象だ。しかし、最近は首からカメラをぶら下げている監督は少なくなった。

▼デジカメが主流となる前、現場の定番カメラといえば、コニカの「現場監督」である。耐衝撃性の高いポリウレタンの防護素材を使用し、ボタン類にはパッキンが施されているので、防塵・防水性能に優れており、ひと目で工事現場用と分かるデザインだった。

▼その「現場監督」のコニカは、ミノルタとの合併後の2006年にカメラ事業から撤退し、一眼レフの技術(ミノルタのαマウント等)はソニーへ継承されたが、「現場監督」を含むコンパクトカメラの技術は他社に継承されなかった。この10年で、カメラはアナログからデジタルへ移行し対応できなかったメーカーは淘汰・再編された。最近ではペンタックスがリコーに買収され、コニカやコンタックスのように消滅したブランドもある。

▼現在の現場用デジカメはオリンパス(工一朗)やリコー(Gシリーズ)などが主流。防塵・防水・耐衝撃性能が優れているのに加え、軽量・コンパクトなので家庭で利用しても全く違和感がない。しかし、コニカの「現場監督」のように、無骨なデザインで「私は監督です」と言わんばかりの存在感のあるカメラが無くなってしまったのは寂しい。(新潟・SS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら