コラム

2012/03/29

「3k」の何が悪いのか(東京・HM)

「3K」の何が悪いのか

▼建設業の現場は、よく「3K」と言われる。きつい、汚い、危険の頭文字。「3Kと言わないで」という風潮もあるが、筆者はあえて3Kの何が悪いのかと問いたい。夏の暑さ、冬の寒さ、雨の日もある。その中での労働。室内のデスクワークと比較すれば、確かに「きつい」かもしれない。屋外での作業が多いため、土にまみれることもある。「汚い」と言えば汚い。そして、高所作業もあり「危険」でもある。3Kであることは事実として受け止めなければならない。

▼しかし、だから悪いのか?というとそれは違うと思う。きついけれど、きちんと工程に沿った仕事を進める。汚い中でも、高い品質の仕事をする。危険であっても、無事故で工事を完成させる。「3K」という厳しい職場環境の中で、高いレベルの仕事をやり遂げる。それが建設業の誇りではないだろうか。

▼自立型の電波塔として世界一の高さを誇る東京スカイツリーが竣工した。地上634m。東京タワーの332・6mを軽く抜いた。このタワー建設には高度な技術がいくつも詰め込まれている。

▼例えば周囲を覆う鉄骨。丸型の鉄骨を複雑に組み合わせていくのは非常に難しいそうだ。太さの違う鉄骨を小数点1桁まで指定された角度でつなぎ合わせる。少しでもずれがあれば、それは最終的に修正しようのない大きなずれになる。

▼コンピューターも駆使するが、最後は人の手で組み上げられていく。いくら機械が進歩してもそれを使うのは人。人間がいなければ工事は進まない。3Kの何が悪いのか。3Kに負けない人たちだけが、世界一のタワーだってつくりだせるのだ。(東京・HM)

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