コラム

2012/04/24

プロは自分の力で勝つ(茨城・HS)

プロは自分の力で打つ

▼プロ野球の2012年シーズンが本格的化。今年はセ・リーグで投手の予告先発が導入されるなどの新しい要素が加わった。逆に、一昨年から導入されたセ・リーグのクライマックスシリーズや、昨年から導入された両リーグの「飛ばないボール」と呼ばれる統一球は継続されることとなった。

▼この統一球の影響か、開幕から完封試合がよく目に付く。特に親会社の変わった横浜は、11試合が終わった時点で5回も完封負けを喫している。しかも、その中には広島・前田投手によるノーヒットノーランと巨人・沢村投手による1安打完封も含まれている。得点どころかヒットさえ出ていないのだ。

▼こうした投高打低の傾向は、息詰まる投手戦が好きな人にはたまらないが、その反面、ド派手な空中戦が好きな人にはまるで物足りないに違いない。どちらが良いとは一概には言えないし、好みも人それぞれ違う。あるいは、どちらも適度に、という人だっている。

▼飛ばないボールの影響は、ホームランの減少という目に見える形でも現れている(もっとも、飛ばす人は飛ばす)。ホームランボールのキャッチは観客が試合に参加できる数少ない場の1つでもある。その機会が減るのは、グラブを持って球場へ行く子供達にとってどれだけ寂しいことだろう。

▼どんなルール改正も、最終的にはファンが納得できて楽しめるのが原則ではないか。ただ、数の力で自分の有利なように物事を決めるのは反則だ。消費税増税を巡って永田町で議論を戦わせている先生方も、そこだけは理解していてほしい。プロは自分の力で飛ばないボールをホームランにするのだから。(茨城・HS)

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