コラム

2012/05/08

桜より酒の力に頼って(茨城・KM)

酒より桜の力に頼って

▼先月8日、日立さくらロードレースが日立新都市広場をメーン会場に開かれた。時期的に満開とはいかなかったが、桜の名所で知られる平和通りなどを約1万5000人の参加者が駆け抜けた。この大会は、ハーフマラソンなどの本格的なものから、親子ファミリー・のんびりお花見コース(1・8?)まであるので、筆者も親子でのんびりと参加した。

▼スタート前「桜、まだあまり咲いてないね」と残念そうにしていた長男が、後日「吸い込まれそう」と感嘆の声を上げたのが、水戸市大足町の曹洞宗安国寺の桜。ここは水をまいた御影石の上に映ったしだれ桜を楽しむ。夜、水面に映るしだれ桜を見つめていると、確かに吸い込まれそうな感覚に陥る。時々、水の存在を知らず御影石の上を歩いてしまう人がいるのも愛嬌だ。

▼花見にはお酒がつきものだ。東京消防庁によると今春、桜の開花宣言(3月31日)から4月上旬までに急性アルコール中毒で109人が救急車に運ばれた。この数は昨年の8倍弱、一昨年と比べても5倍以上に上る。

▼飲んだ酒は体内で「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸と水」と分解され、汗や尿とともに体外へ排出される。途中で発生するアセトアルデヒドは猛毒物質で、頭痛や吐き気などを引き起こす悪酔いのもと。この物質の分解を助ける酵素が「ALDH2」と呼ばれるモノだが、日本人は、生まれつきALDH2がうまく働かない人が多いらしい。

▼咲き誇る桜の下、場を盛り上げるため、無理に一気飲みなどする必要はないだろう。桜の香りには元来、心を明るく高揚させてくれる力が備わっているのだから。(茨城・KM)

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