コラム

2012/05/22

復旧従事者への対応も(茨城・HN)

復旧従事者への対応も

▼鎌倉時代の文学作品で、日本三大随筆『方丈記』(鴨長明著)には、天災や飢饉などの記述が多い。「治承4年卯月のころ、中御門京極のほどより、大きなる辻風起こりて、六条わたりまで吹けること侍りき」。1180年に、都の中御門京極付近から六条大路で発生した竜巻を記した内容だ。書物によれば、大きな家も小さな家も、一つとして壊れないものは無かったという。

▼先日、茨城県で起きた竜巻は、つくば市北条地区を中心に県北や県西で合計1300棟近い建物に被害を及ぼした。特につくば市北条地区は、昔ながらの家屋が密集する市街地。辺りは、先の報道にあるとおり散々な状況となった。

▼そんな災害の中、第一線で活躍したのが地元の建設業者。県建設業協会つくば分会や、つくば市産業育成協議会が、道路、民家のがれき撤去などに従事。住民の生活が平常時に戻るまでにはまだ時間がかかるものの、着実に復旧している。

▼ただ、これらの頑張りに手厚い支援があるかと言うと、そうでもない。被災者生活再建支援法の適用など、被災者を支援する報道は聞こえてくる。確かに被災者に対し、きめ細かな支援が行われるのは最優先だろう。だが、被災者のために不眠不休で作業に当たる業者や支援者に対する措置は、適切と言えるだろうか。

▼『方丈記』は、こんな文章で始まる。「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」。川の流れと同じく、移りゆく時代の中で必ず起こる災害。最近では、大震災、ゲリラ豪雨と、想定外が当たり前となった。この変化に柔軟に対応するためには、建設業者への支援が要となる。(茨城・HN)

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