コラム

2012/05/30

建設業への健康診断(群馬・AN)

建設業への健康診断

▼4月に実施した健康診断の結果が届いた。仕事の多忙さを言い訳にした運動不足と暴飲暴食による体重の増加などによって案の定、結果は散々だった。ウエスト増はもちろん、肝機能の数値やコレステロール値が平均を大きく上回るなど、年を重ねるごとに健康体から離れていく。

▼毎年同じような結果が出されても「運動不足が原因だろう」といった自己診断で済ませ、診断結果を踏まえた再検診の通知には目もくれない無精者だが、愛娘も2歳となり、自分に万が一のことがあったらと考え、偏った食事の回避と有酸素運動による体質改善を心に決めた。

▼東日本大震災の教訓や首都直下型地震への備えから建設業界に今後、耐震工事バブルがやって来るといった週刊誌の記事を目にした。JRや私鉄、首都高速道路などが耐震補強工事を大規模に計画しており、このうちJR東日本では、今後数年間に総額1000億円もの事業費を投じる。

▼しかし、建設業界では昨今の建設投資減に伴うリストラなどによって人手を減らしている。スリム化と言えば聞こえは良いが、せざるを得ないというのが業界の本音。群馬県建設業協会が会員各社へ従業員数の調査を行ったところ、10年前と比べ18・4%も減少しているという。

▼首都圏を中心に今後、耐震特需に沸く可能性は大きい。東日本大震災による被災地以外の建設投資の冷え込みが続く中、各社の経営体質改善の道のりは険しく、建設業へ健康診断を行えば、要精密検査となることは間違いない。そんな中で「建設業の皆さん、体質改善に努めましょう」と言っても、空虚な言葉にしか聞こえない。(群馬・AN)

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