コラム

2012/06/02

買い物は気配を出さずに(東京・JI)

買い物は気配を出さずに

▼家電量販店5位のビックカメラが、6位のコジマを買収して子会社化するというニュースが大々的に報じられた。この買収により、ビックカメラの売上高は1兆円超となり、トップのヤマダ電機(約2兆円)に次いで業界2位に浮上するらしい。3位以降はエディオン、ケーズデンキ、ヨドバシカメラと続く。

▼企業の発展のため、あるいは生き残りを賭けて、今やあらゆる業界でM&A(企業の合併・買収)が進んでいる。建設・住宅の分野でも状況は同じだ。その象徴的存在ともいえるのが、数々の合併・買収を繰り返している住生活グループだろう。

▼住生活グループは以前からM&Aを積極的に行っており、最近3年間だけでも新日軽やサンウエーブ、上海のアルミ建材企業、イタリアの外壁材企業など7社を買収している。同グループの現在の社長は藤森義明氏だ。米国GE上級副社長兼日本GE会長だった人物で、2011年8月から現職にいる。

▼藤森社長は、M&Aについて「絶対に欲しいと思って買いに行かない。高値を付けない。買収をあきらめることができるならば、交渉は優位に立てる」と会見で話している。つまり本心は絶対の獲得を狙っていても、相手に対しては「安く買えるなら買うけれど、無理をしてでも買いたいわけではない。さあ売ってくれるかね」と迫るわけである。こうした余裕が、交渉を自分のペースで進めるには必要なのだろう。

▼家電量販店で買い物をする際に、欲しい商品を前に店員と価格交渉する人は多いだろう。藤森社長のように購入をあきらめることができるならば、安く買えるのかもしれない。(東京・JI)

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