コラム

2012/06/27

ハングリーであれ(群馬・KK)

ハングリーであれ

▼「ハングリーであれ、愚かであれ」。アップル社の前CEOであり創業者のひとりでもあった故スティーブジョブズ氏が2005年、スタンフォード大学の卒業式で卒業生に送った伝説のスピーチの一部だ。

▼日経ビジネスは1983年に総資産額のランキングを分析し、「企業にも寿命があり、優良企業とはやされても盛りは30年まで」と結論づけて発表した。この結論は、「新30年計画」などを発表する企業もあるほど、30年が企業の節目としていまや定説となっている。

▼77年に法人化し、30年目の節目の年であった2007年1月に、携帯電話を再定義すると宣言し、革命的な携帯電話としてiPhoneを発表したアップル社。初代iPhoneは日本の通信方式を用いておらず、日本を含む数カ国では販売されなかったものの、1年後の6月には日本の通信方式に対応したiPhone3Gを発表、同年7月に日本を含む22地域で発売された。

▼この端末は、日本での発売が発表された当初、おサイフケータイが付いていない、ワンセグ放送が見られないなど日本独自の機能が付いていなかった。インターネットの閲覧は、従来の携帯電話でも可能などの観点から、日本での成功に懐疑的な意見も多数聞こえたが、今では通信事業者のパワーバランスに影響を及ぼすほどの端末となった。

▼成功を収めたiPhoneの一方で、10年に新設したばかりの音楽系SNS「Ping」閉鎖を検討しているなど失敗も少なくない同社。たとえ失敗であってもまた新たな挑戦を続ける。そのハングリーさと愚かさが、世界を感動させる製品を生み出すのだろう。(群馬・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら