コラム

2012/08/02

アイディアを,心に届ける(東京・JI)

アイデアを心に届ける

▼何を伝えるか、いかに伝えるか。記事を書く際には、常にこうした点に悩みつつ原稿を書いている。そして、どのような記事であれ、自分が最善と考える順番で言葉を並べていく。何も新聞社や報道に限ったことではないのだろう。業種に関わらず「仕事の原点は心を伝達すること」と書いている本を読んだ。

▼フジテレビで「爆笑レッドカーペット」や「トリビアの泉」などのバラエティー番組のプロデューサーを務めた吉田正樹氏の著書『怒る企画術!』。吉田氏は、最近のテレビがつまらなくなった理由について「最初から大衆ウケするものをつくろうとしている傾向が見られる。信念がない」と厳しく指摘する。

▼面白くないテレビ番組は、どうやら企画において「何をすべきか」という視点が欠けているらしい。同じ企画でも「強い思いや情念が込められているかどうかによって、まったく違ってくる」と述べている。様々な世代の視聴者を得ようとするとクイズ番組が多くなるようだが、視聴率が低いクイズ番組は「どこか視聴者をなめている」と感じるようだ。

▼吉田氏は、仕事というものについて「心から出たアイデアがものに形を変え伝達されて、最後は心の中に入っていく」と説明し、「これこそが仕事の原点」と考える。そして「鉄鋼業だろうが建設業だろうが、心で思ったことが、ものを介在して誰かの心に届く」と主張している。

▼大成建設の『地図に残る仕事』は、誰もが知るキャッチコピーだ。これを真似るわけではないが、信念を形にして人々に伝える努力を行えば、いつかは『心に残る仕事』が生まれるのかもしれない。(東京・JI)

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