コラム

2012/08/21

悪が裁かれる世の中を(茨城・KS)

悪が裁かれる世の中を

▼『古事記』でオオアナムヂは、神々の代表的存在である?大国主〈おおくにぬし〉?となり中津国〈なかつくに〉こと日本の国土づくりにまい進する前、80人もの兄神から悲惨で壮絶ないじめを受けていた。

▼滋賀県大津市の中学生のいじめ事件。警察による異例の捜査が開始されるなど、物議をかもしている。驚いたのが、今を時めく多くの芸能人らが新聞、テレビ、ブログなど各種メディアでいじめについて熱く語っていることだ。

▼中でも、中学生時代にいじめられた経験があるアイドルの中川翔子さんは自身のブログで、「いじめをするくだらないやつの人生より、よっぽど幸せな未来が待っている」と、現在もいじめに苦しむ人たちを励ましている。そして、いじめをかたくなに認めようとしない教育長や学校については「生徒の声を聴かず、いじめはなかった、遊びだったなど、恥を知ってほしい」とも。

▼また、今回多くの議論を呼んでいるのが、「少年法」の是非だ。20歳未満の者は罪を犯しても顔、名前は公表されず、刑事責任には問われないというものだ。そもそも同法は、戦後の不安定な社会で、空腹に耐えられず食べ物をくすねるなどした子どもらに対する法だ。恐喝、暴行、殺人とは訳が違う。

▼結局、オオアナムヂは母の勧めでスサノオが司る黄泉国〈よみのくに〉に退避する。そこでスサノオから手解きを受け、見事兄神たちを征伐する。しかし、中津国〈なかつくに〉ならぬ大津市ではスサノオたるべき学校、教育委員会、警察は堕落していた。政府には、多くが望まない増税法案の成立に躍起になるより、理不尽で実効性がない法の改正を急いでほしい。(茨城・KS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら