コラム

2012/08/28

動物ニュースについて思う(東京・HM)

動物ニュースに思う

▼日本中が注目した上野動物園のパンダ。小さな命は生後6日目で天国に旅立つという残念な結果に終わった。動物に関する悲しいニュースと言えば、ガラパゴスゾウガメの亜種、ピンタゾウガメで唯一生き残っていたカメが死亡するという出来事もあった。ロンサム(一人ぼっち)・ジョージと名付けられたカメの孤独な死。今は天国で多くの仲間と再会しているのでは。

▼一方、たくましく成長を続けているのは、自然界で38年ぶりに巣立ったトキの子たち。だが現在、トキの子たちはエサ不足が心配されている。田んぼの稲が伸びてエサが取りにくくなっている。沼や浅瀬などが多ければ問題ないが、エサ探しをほぼ田んぼに依存しているために起こった現象だ。

▼人工飼育し数を増やし、野生で生きていける訓練をして放鳥する。それらはむろん大切な取り組みだが、放鳥されたトキが生きていける環境が今の日本にあるかどうかが、今後の鍵になっていくだろう。

▼秋田県田沢湖で絶滅したと思われていたクニマスが、遠く離れた山梨県西湖で発見されるというニュースも少し前にあった。過去に放流したものが繁殖を続けていた。西湖の環境がクニマスに適していたようだ。まわりの環境さえマッチすれば、野生の生命力はこうした驚くべき強さを見せることがある。

▼一度は日本の空から消えたトキ。願わくばクニマスのような底力を見せてほしいという想いとともに、少しでも良好な自然環境のために個人レベルでもできることはまだまだ沢山あると感じる。1人でも多くの人がそう考えることが自然の再生につながっていくのではないだろうか。(東京・HM)

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